昨今よく耳にするようになったデザインガイドラインという言葉。これはビジネス上の様々なデザインに関わるルールや規定を各企業が独自に定めているものです。とはいえ具体的なイメージを理解しているという方はまだまだ少ないかと思います。
この記事ではデザインガイドラインとはどういったものなのか、その具体的な種類について解説していきます。ここでの内容を読めば、デザインガイドラインを理解する足掛かりになるはずです。ぜひみなさまの自社デザインガイドライン作成にお役立てください。
デザインガイドラインの定義
デザインガイドラインとは、ビジネス上の様々なデザインに関するルールや規定を取り決めたドキュメントのことで、企業ごとにデザインシステム、デザインマニュアル、デザインラングイッジ(言語)などと多様な表現でも呼称されています。
分かりやすく言えば、デザインにおける色や文字、レイアウトなどの様々な要素を、明確に言語化した説明書と言えるでしょう。
デザインガイドラインが生まれた背景
デザインガイドラインとは最近新たに生まれたものではなく、昔から様々な制作物に用いられていました。ただ、明確には概念化されていませんでした。
Webやアプリが普及する中でGoogleがこれを改めて提唱したことからデザイン界隈で注目されるようになり、その必要性が明確に浮かび上がってきたという背景があります。
一つの制作物を複数の人員で作り上げるということは、デザインや設計に関して何らかのルールや決まりが必要となるものであり、ガイドラインは必然的な存在でもあります。しかしながらそれを作成していなかったり、最適な形で運用できていないなど非効率的で価値の低い状況は多くの企業などで散見されてきました。
そういった課題に改めてガイドラインの重要性と一つのあるべき姿を提示したものが、GoogleやAppleが作成したデザインガイドラインです。そのため、多くの企業がGoogleやAppleのガイドラインを見本として、自社に最適なものを作成し始めて今日に至ります。
デザインガイドラインの具体的な3つの種類
ガイドラインと一言で表現しつつも、実際の内容は企業によって様々です。サービスやプロダクト、マーケティング表現など何について定めたものなのか、それらのどこまでをサポートするものなのか、という具合に内容は多岐に渡っています。
分かりやすい例として、市販の自動車を考えてみましょう。
自社で自動車を製造する際に、外装デザインにおけるルールを定めるのか、内装デザインも含めるのか、性能や操作性はどうするのか、車種ごとにコンセプトやテーマを統一するのか否か、はたまたプロモーションやマーケティング、企業サイトなどのデザインまで統一されたルールを定めておくのかなど、その規定範囲は各社の判断によります。
デザインガイドラインの種類や内容に正解はなく、各社にとって必要で最適なものを作成する必要があります。
実に多岐に渡るデザインガイドラインの内容ですが、作成する際に理解しておくべきガイドラインの種類は、大きく以下の3種類に分類されます。この枠組みを捉えておくことで、自社ガイドラインの作成に役立つことでしょう。
- ①設計指針
- ②デザインガイド
- ③スタイルガイド
①設計指針
設計指針とは、文字どおり制作物の設計における目指すべき形を示したものです。設計とはある物や計画を具体化するための検討・検証、試みを指すものであるため、制作物を形にするための統一された決まりと捉えると分かりやすいでしょう。設計図を言語化したものとも言えます。
どちらかといえば、あまり表に見えてこないソフトウェアやハードウェアなどプロダクトの内部構造や作りそのものに関するガイドラインにあてはまるもので、それを基にすることで製造されたプロダクトに統一感が生まれます。
複数の製品において数世代にわたり継続させるものが主流で、デザイン対象物の種類を超えて定める場合、多くはユーザー体験を中心に考慮した内容で作成されています。
②デザインガイド
設計とデザインは非常に意味の近いものですが、より表面的なものを定めるものとしてデザインガイドは用いられています。ソフトウェアやハードウェアにおいてはユーザーの目や手に触れるデザイン部分などに当てはまるもので、操作性や直接的なユーザー体験に影響する部分です。
一つのプロダクト内で定義されることが多く、プロダクト内のシリーズや世代にまたいで使用されるガイドラインです。操作体系の統一や操作パターンを整理し、その詳細のデザインを定義しています。
③スタイルガイド
デザインガイドよりもさらに詳細な項目を定義したものがスタイルガイドです。同一プロダクト内のさらに特定の製品に関して、数世代にわたり継続させるようなガイドラインと言えるでしょう。
ユーザーにとっての見映えや印象に繋がる要素を含むことが多く、画面や外装のデザインと捉えると分かりやすいでしょう。色合いや文字など細かく定義しており、「トンマナ」や「仕様書」と呼ばれているものはスタイルガイドと言っても差し支えないでしょう。
参考となるデザインガイドライン事例
デザインを考えたり、デザインガイドラインの作成を検討する際に、多くの方々が大手のガイドラインを参照しています。以下に、代表的なGoogleとAppleの公開事例を載せています。どちらも英語表記ですが直感的に分かりやすい内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
Google:Material Design
Apple:Human Interface Guidelines
デザインガイドライン作成に最適なツール「Spirally(スパイラリー)」
最後に、デザインガイドラインを作成するためのサポートツールをご紹介します。考え方や作りたいイメージができ上がってもそれを作成できなければ意味がありません。その作成作業を実現できるツールが「Spirally(スパイラリー)」です。
Spirallyとは、ブランドやプロダクト、クリエイティブに関するデザイン情報をドキュメントとしてガイドライン化し、オンライン上で作成・管理・共有することに特化したクラウドサービスです。
正しい情報を必要な関係者へ共有することでマ各種デザイン業務のコミュニケーション改善をサポートします。
「Spirally」のサービス・機能
ガイドライン作成をサポートするため、Spirallyは以下の画像のような様々な機能を備えています。Spirallyを活用すれば、ガイドライン作成の作業自体に手間をかけることなく、内容の策定に注力することが可能です。
他のツールなどを用いずSpirallyのみで完結できるため、効率的な運用を行えます。関係者への共有設定や共同編集も可能なので、適宜更新しながら常に最新の情報を共有できる体制が作れます。
まとめ
デザインガイドラインは、各社のビジネス課題や目標に合わせて必要な範囲で最適なものを作成することが重要です。ただやみくもに作れば良いというものではなく、作成に時間をかけすぎてしまうことも本末転倒です。
作るべきものが固まっているのであれば、ガイドライン作成をスムーズに行うため「Spirally」の活用をぜひご検討ください。きっと望む形のガイドライン作成を実現できることでしょう。まずはお気軽にお問い合わせください。